社長ブログ

ビジネススキル Archive

少し前になりますが、NPO法人日本交渉協会にて交渉アナリスト1級という資格を取得しました。

私が交渉について興味を持ったのは神戸大学大学院の授業で交渉の授業があり、欧米ではビジネススクールでも積極的に取り入れられていることを知ってからになります。担当の奥村先生はミンツバーグの翻訳でも有名ですが、交渉に関する書籍の翻訳も多数なさっており、長文のケースを読んで実際に交渉を行うというタフな講義でした。

交渉アナリスト1級の試験は事前に出された課題に対するレポート提出と筆記試験でしたが、単に交渉に関する知識だけではなく、交渉に対する自分の考え方や心のあり方なども問われるものでした。相手を打ち負かすスキルだけ学べば良いのではなく、その後の人間関係を見据え、いかに良好な関係を保つかが大切だと思います。

昨日の日本経済新聞に、日本触媒の池田社長が若い頃に海外で苦労をされた、契約交渉に関する記事が出ていましたが、アメリカでの交渉で最も難航したのは「別れ方」だと仰ってました。池田さんによりますと、契約書にはあらゆる場合に事細かな条項があり、「ここまでしないと欧米では通用しないのか」と思われたそうです。その後、インドネシアでの契約交渉では、失敗もあったが何よりも大事な別れ方を決めておけば恐れることは何もなかったそうです。アメリカで学んだ交渉術(というか腹の据え方)は社長となった今でも生きていると仰ってます。

私はこの記事を読んで、私たちが交渉を学ぶの際は契約を成立させるための交渉に焦点が向きがちですが、その時に❝いかに分かれるか❞ということにも目を向け、不利にならないような別れ方をするということまで視野に入れた交渉をしなければいけないということが大切だと思いました。どうしても目先の契約締結に意識が向いてしまい、その後のことは何とかなるだろうと甘く考えていると最終的にこちらが大きな損害を負うこともあるということを肝に銘じなければいけませんし、交渉術とはここまで考えるものだと認識をさせられました。

発想法

私の古巣、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの集客が好調です。

やはり以前働いていた私としては大変嬉しいです。

テーマパークのマーケティングはいかにお客様に来場してもらうかを

アイデアを振り絞って考えるのですが、ハリーポッターやスパイダーマン

のような大型アトラクションは巨額な投資なので何年に1回しか出来ません。

そのため、現在ある資源を使ってどのような集客戦略を立てるのかが

マーケターの腕の見せ所です。てっとり早いのはディスカウントチケット

ですが、ディスカウントに慣れてしまうとお客様は通常の価格で来て

くれなくなります。

今回の好調の要因の1つは「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」という

ジェットコースターにゲストが反対向けに乗り、後ろ向けに走行する

「バックドロップ」の大ヒットがあげられます。先日の報道では7時間待ち

という史上最長の待ち時間が発生したそうです。

この発想は大変素晴らしいと思います。今ある資源を使い、費用を抑えて

しかもインパクトのある企画だと思います。このような発想法をするため

にはどうすれば良いのでしょうか。

発想法で有名なのはオズボーンのチェックリストやSCAMPERがあります。

ここではあまり知られていないSCAMPERを紹介したいと思います。

SCAMPERは

Substitute 代用法はないか、置き換えてみる

Combine 組み合わせる、結びつける

Adapt 当てはめる、応用する

Modify 修正する、Magnify 拡大する

Put to other uses(purposes) 他の用途、別の使い道はないか

Eliminate 削除または削減できないか

Reverse 逆にできないか、Rearrange 再編成できないか

の頭文字を取ったものです。

今回のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「バックドロップ」はまさしく

Reverseの発想ですね。

このようにすぐに巨額な投資や割引に走るのではなく、アイデアで勝負

するためにもぜひSCAMPERを活用してください。