社長ブログ

管理職研修 Archive

人材育成のゴールを明確にする

「人材育成はどんな人材に育てたいかゴールを明確にする」というのは当然のことですが、実際に企業に入って仕事をしていると多くの企業がゴールが明確でなかったり、ゴールがあっても知っているのは担当者だけということがあります。

昨年から手掛けてきた大型の人材育成プロジェクトがいくつか終わりを迎えるのですが、まさしくこのような状況に直面します。中堅社員や管理職を対象に、問題解決・マーケティング・経営戦略などのいくつかの研修を実施し、様々な課題をこなしながら、最後は経営陣に対するプレゼンテーションで成果報告を行うのですが、その時にいかにゴールが共有されていないかが良く分かります。成果発表会には社長をはじめとする経営陣が並び、受講生は緊張しながらも立派に発表をします。ところが発表が終わると、経営陣から厳ししいコメントが飛んできて、受講生が委縮してしまいます。例えば、経営企画担当役員からは、「数字の根拠を示せ」「君の言うキャッシュフローの意味は何だ」と細かい質問が飛んできますし、人事の担当役員からは「それを実行したら組合対応はどうなるのか」という質問まで飛んできます。各役員は「してやったり」と、表情は得意気なのですが、私はこのような役員の方々を見ると、その会社のことが心配になります。なぜならば、役員から出てくる質問のレベルは、そもそも受講生に求められていないことが多いからです。社員教育は階層に応じた目標、つまり、せめてこのレベルにはなって欲しいという姿が階層ごとにあります。成果発表会ではその階層に求められるレベルになっているかを経営陣が評価しなければならないのですが、そもそも、その目標を経営陣が全く知らないため、自分勝手な期待水準を成果発表会で述べられます。これは人材育成のゴールを明確にしていない経営陣側に問題があるか、経営陣にゴールを伝えていない人事の担当者側の問題が考えられます。これでは長期にわたって研修や課題に取り組んできた受講生が気の毒になってしまいます。

当然のことですが、責任の一旦は私にもあります。私のようなコンサルタントの場合、直接お話をするのは人事のご担当者が多いのですが、目的やゴールを明確にして、経営陣との連携も十分にとるよう促さないといけません。年々社員教育のご相談が多くなってきていますので、この点を改めて私自身にも言い聞かせたいと思います。

マネージャー育成を科学する

東京大学の中原先生の講演をお聞きしました。これまでずっとタイミングが

合わず、今日がはじめてです。私の恩師の金井先生と共著も出され、書籍で

しか接することがなかったので、今さらながらですが何とか実現しました。

企業の人材育成がご専門だけあり、ご講演内容、話し方などとても素晴らしい

です。(私が言うのも失礼ですが。)

人材育成の世界ではマネージャー教育が一大トピックスですが、中原先生は

仮説としてマネージャーになることが難しい理由を3つあげられました。

1.「突然化」組織のフラット化によりマネジメントの学習機会が喪失し、

昇進が瞬間にやってくる。

2.「多様化」職場のダイバーシティが高まり、それへの対処が難しい。

3.「役割化」成果を求める風潮の中で課長が“ポジション”から“役割化”し

つつある。

そして、マネージャー育成の3つのポイントをあげられました。

1.マネージャー育成は入社直後から始まっているので、全社規模のことを

させたり、管理職の代行経験を持たせること。

2.マネージャーとしての出発は「弱さ」からはじまる。マネージャーに

なったら当初は底知れぬ不安や課題を抱えるので、それらに対応すること。

3.業務経験の内省が必要。マネージャーは孤独になりやすいが、孤独な

マネージャーほど成果が出ないので、折に触れて内省の支援をする。

最後にマネージャーへの移行を支援することが重要であり、そのために3つ

のポイントをあげられました。

1.組織・制度を変革することでマネージャーの仕事に専念し易い環境をつくる。

2.方針とツールの提供。例えば、OJTなどに慣れ親しんでいる人など少ない

ので、OJTマニュアルなどを提供するのも一例である。

3.場の創造。例えば、トップと対話の場をつくるなど。

以上が主なご講演内容でした。書籍では「人材育成を科学する」を標ぼう

している中原先生だけあって定量分析の記述がかなり多いのですが、ご講演

では私達にも分かりやすいようにお話くださいました。

その他にも私が困っていたことにズバリのお話もあり、早速業務に活かして

いきたいと思います。