社長ブログ

経営 Archive

自分のコアコンピタンスは何か

先日、社長TVの取材を受けました。私の生い立ちから、これまでのビジネス経験、ビジョンなどのお話をしましたが、その中で差別化についてのお話もしました。つまり同業他社と比べて自社が何で差別化ができるかです。私のように独立して起業する人は山ほどいますが、企業と違って個人の場合はこの差別化を明確にして伝えるのは大変難しいと改めて感じました。(企業でも明確に説明するのは難しいですが。)

ここで思い浮かぶのが、経営学に触れたことのある人ならお馴染みのコアコンピタンスです。これはゲイリー・ハメルとC・K・プラハラードによって提唱された言葉で、「顧客に対して、他社では真似のできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的な力」と定義がなされています。このコアコンピタンスを見極める場合、模倣可能性、移動可能性、代替可能性、希少性、耐久性の5つの点について考える必要があると言われています。この5つ全てを兼ね備えるのは極めて難しいと思いますが、市場や競合などの環境により、この5つの中で何が重要かも異なります。また、一度築き上げたコアコンピタンスであっても環境の変化が激しい現在においてはすぐに陳腐化してしまいますので、絶えず継続的な投資、コアコンピタンスの再定義、時にはポジショニングの変更などが必要になってきます。

先日、イチロー選手のインタビューを見ましたがが、イチロー選手が40歳の今もなお輝き続けるのは、まさにこれらのことを実践しており、トップ選手としてあり続けるには絶えず変化を恐れずに変わり続けることが出来るからだと思います。

話は戻って「私の個人としての差別化要因は何か。」3つにまとめてお話をし、ビデオに収録していただきましたが、まだまだ自分が誇れるコアコンピタンスは築けていないと思います。イチロー選手に刺激を受けて頑張りたいと思います。

http://osaka-president.net/management-learning

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日本企業の世界戦略を考える

NHKの番組「島耕作のアジア立志伝」シンポジウムの公開パネル討論を見てきました。漫画家の弘兼憲史、作家の江上剛、ヤマハ発動機の柳弘之社長、タイの巨大企業CPグループのタニン・チャラワノン会長、アラブ首長国連邦DPワールドのスルタン・ビン・スレイヤム会長により「世界と戦う日本の長期戦略とは?」について活発な討議がなされました。

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中国投資の先駆者であるタニンさんは「危機とは危険だけではなく、機会すなわちチャンスでもある」と述べ、誰も投資をしない危険な時にあえて投資をするという風険投資で急成長を遂げたことで知られます。タニンさんによると成功するためには「三者の利益」を考えることが重要だと述べておられました。1つ目は投資した国の政府の税収が増え政府の利益になること、2つ目は住民の利益になること、そうすれば3つ目として自ずと自社の利益が増えるという考えです。シンポジウムではWIN WIN関係と訳されてましたが、WIN WIN WINの関係とも言えると思います。江上さんは日本では近江商人の思想に「三方良し」という言葉を紹介され、日本でも「売り手よし、買い手よし、世間よし」の考えが「三者の利益」に通じるのではと仰ってましたが、まさしくその通りだと思いました。スルタンさんはドバイの産油が将来的に枯渇することを見据え、石油に頼らない競争力のある国を目指して外国資本を呼び込む大胆な優遇政策でドバイを世界の中心にすえた立役者として有名です。スルタンさんは何度も経営の危機に直面しましたが、「危機が永遠に続くことはない」と積極的に海外への投資も行いリスクを分散させてきました。スルタンさんは「日本も危機の時こそ積極果敢に攻めるべきだ」と述べておられました。話題は日本企業が世界で成功するためにはどうすれば良いのかという議論に及び大変勉強になりましたが、最後に弘兼さんが仰った言葉が印象的でした。弘兼さんは「日本のビジネスパーソンは実は世界からは好かれている。これからも好かれる日本人になろう」と述べ、変えるべきことは変え、守るべきことは守ることが重要であると思いました。本番組はNHK-BS1で平成26年1月2日21時から放映されます。お時間のある人はぜひご覧になってください。

 

マーケティング活動を考え直す

先日、私が関西学院大学大学院のゼミでお世話になった中西正雄先生の喜寿を祝う会に参加しました。

パーティの前に中西先生の特別授業「マーケティングと私」を拝聴することができました。

その中で中西先生はマーケティング活動の定義を改めて考え直す時期ではないかとお話されました。

中西先生は以前のマーケティング活動の定義は「組織が顧客市場および中間業者市場に対して行う働き

かけの総称」と説明されましたが、関係性マーケティングが重要視されるようになってからは、「組織が

顧客市場との間に相互作用を円滑に行うための双方向の働きかけの総称」という定義を考えているとお話

をされました。つまり、組織から4Pを提供する一方的なマーケティング活動ではなく、顧客からの働き

かけにいかに対応するかが重要であるという視点です。たとえば顧客からのクレームなどはその例であり

ますし、営業担当者がお客様の要望を社内に持ち帰り、お客様の要望を実現するために社内に対して様々

な働きかけを行う営業活動もその典型的な例としてお話されました。プロダクトアウト的な発想に陥り

やすい私達にとって改めて考えさせられる講義でした。

中西先生は御年77歳になられますが、年齢を感じさせないキレ味のある講義で、今もなお研究活動にも

取り組んでおられます。私も中西先生を見習って頑張らなければならないと考えさせられた1日でした。

進歩を促す強力な仕組み

今年は春以降、修士論文の執筆と仕事で追われていたことを理由にブログが更新できていませんでした。

このような言い訳をしている自分自身に大いに反省しております。

修士論文の執筆が終わって無事大学院も修了し、山積みとなっていた仕事も何とか片付いてきましたので、

ブログも再開します。

まずはジェームズ・コリンズで有名なビジョナリーカンパニーにあるBHAGについて考えてみたいと思います。

BHAGとはBig Hairy Audacious Goalsの頭文字を取ったもので、先日の日経新聞でも紹介されていました。

これは社運を賭けた大胆な目標と訳されます。どの企業でも目標は持っていますが、単なる目標を持って

いることと、思わずひるむほど大きな課題に挑戦することの間には明らかな違いがあります。

有名な例として挙げられているのが、ケネディ大統領の月面着陸構想です。

ケネディ大統領は1961年5月25日に「我が国は60年代が終わるまでに、月に人を着陸させ安全に地球に帰還

させる目標を達成すると明言すべきだ」と宣言しました。当時は無謀だとも思える目標でしたが、議会が

同意して予算を獲得し、実現に至ります。

このように本物のBHAGは明確で説得力があり、集団の力を結集するものになり強いチーム意識を生み出す

こともあります。ゴールがはっきりしているので、目標をいつ達成できたのかすぐにわかります。

BHAGは人々の意欲を引き出し、人々の心に訴え、心を動かします。具体的で、わくわくさせられ、焦点が

絞られているため、誰にでもすぐに理解でき、くどくどと説明する必要はありません。私の経験から言えば

大型テーマパークがない大阪にユニバーサル・スタジオを誘致し、実現に至ったことなどBHAGと言えるで

しょう。

低迷した経済環境であれば、BHAGを打ち出すのは夢のまた夢のようにもとられるかもしれませんが、最近

の新聞やニュースなどを見ている限り経済環境に明るさが見えはじめてきたと思われます。これから日本

企業のわくわくさせられるようなBHAGを見ることはできるのでしょうか。また、私自身も自らがわくわく

するようなBHAGを持ちたいと思います。

参考文献「ビジョナリーカンパニー:時代を超える生存の原則」ジェームズ・C・コリンズ

企業再生時の経営者のあり方

経営共創基盤の冨山和彦さんの講義を聞く機会を頂きました。

死に瀕した企業を再生するときの経営者はどうあるべきか、

平時の経営とは何が違うのかを自ら携わってこられた実例など

を交えて日本の経営者が学ぶべき教訓、マネジメントリーダー

シップの本質を考えさせられました。

有名なカネボウの再生にも関わってこられたので、私としては

我が身のように感じて聞き入ってしまいました。

その中で印象に残っているのは「財務リストラは決めれば誰でも

出来るが、その後の戦略実行は実施の過程で必ず計画通りには

進まずゆがんで行くものである。それを乗り越えてこそ合理的

な戦略になるのであり、環境が悪くなった時のほうがストイック

に頑張れるものだ。」というお話です。

資産売却、事業中止、人員削減などは決まれば誰でも実施できる

が、戦略は描いても誰でも実施できるものではないというのは

どの企業でも経験しているのではないでしょうか。マネジメント

サイクルを回しながら、常に環境に対応していくことが重要です。

また、私が一番感銘を受けたお話は、「成長をつかむためには

今持っているものを捨てなければいけない。」というお話です。

今現在、手に何かを持っていたら、手がふさがっているので

何もつかむことはできませんが、新しい何かをつかむためには

現在手に持っているものを手放さないと、つかもうと思っても

つかめないというのは本当にごもっともです。

私もあれやこれやと手を出し、捨てきれずに抱え込むタイプです

が、成長するためには何かを捨てなければいけません。

しかし経営者となると、なかなか捨てるモノを見つけて実行する

ことが出来ないのかもしれませんが、その間にさらに経営が

悪化していくのだと思います。捨てるものを見極めることと、

見極めたら実施することが今経営に苦しんでいる企業に共通

して言えるのでしょう。

事業再生をする側とされる側

先日、大学卒業後に働いたカネボウの同期と何年かぶりに会うことが出来ました。

カネボウは産業再生機構の傘下で解体され、化粧品は花王に買収されてそのまま

カネボウ化粧品として営業していますが、その他の事業は廃業か売却となりました。

化粧品以外の事業部はクラシエという社名になり、カネボウ化粧品との関係も

無くなってしまいました。

私の同期の1人は経営企画室で大改革の渦中を生き残ってきました。偶然ですが、

大学院の講義で産業再生機構にいた冨山和彦さんの経営共創基盤による授業が

あり、カネボウの事業再生がケースとして取り上げられた直後でした。

私の同期によると、当時は多くの事業が従業員ごと様々な会社に売却され、

明日は我が身でほとんどの社員が覚悟をしていたそうです。他の会社に売却を

されても売却された事業自体が買収側の会社でも低迷して足を引っ張り、結局は

買収した会社で事業が縮小されリストラされた者もいます。

事業再生を果たした側から見ると、とても素晴らしい再建ストーリーに見えます

が、再建される側の従業員から見たストーリーは全く違ったものになります。

やはり、会社はこうなる前に何とか手を打たなければいけないと考えると、問題

を先送りし続けてきた旧カネボウの経営陣の責任は重いと思います。

 

負の連鎖を断ち切る勇気を持つ経営

本日から神戸大MBAの新学期が始まりました。

かの有名な冨山和彦先生を擁する経営共創基盤による事業再生管理の授業では

私が新卒で入社してから10年働いたカネボウの再生事例がケースとして取り上げ

られました。

大学を卒業して10年間もお世話になった会社なので、今でも愛着はありますが、

産業再生機構によるデユーディリジェンスや支援内容の話を聞き、支援決定時の

バランスシートを見るとかなりひどい状況であったことを改めて認識させられ

ました。

積み上がる不良在庫、架空の売上計上など様々な問題があったにも関わらず、

問題を先送りしてきた経営陣の責任はかなり重いと思います。さらにそういう

状況に対して疑念を抱いても、経営陣を恐れ何も言えない社風や、いつかは

よくなるだろうという危機意識の欠如にも問題があると改めて思いました。

瞬間的には多少の膿が出ても、負の連鎖を断ち切る勇気を持つことが経営陣

だけでなく、経営陣を支えるミドルにも求められるのだと思います。